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会長から

あいさつ〜「自信と誇り」をもって

北海道技術・家庭科教育研究会
会長 後藤 文裕


 本年度、第61回研究大会を研究会のルーツの地岩見沢市で開催します。全道各地からご参加いただきました皆者の技術・家庭科教育に対する熱意ある研究姿勢に敬意を表するところです。北海道技術・家庭科教育研究会は、戦後混乱期の昭和22年学習指導要領で「職業科」が発足した翌年の昭和23年11月に北海道教育大学岩見沢分校を会場に「第1回研究大会」を開催いたしました。以来、60年を超える研究大会開催しておりますが、それは、先輩諸氏が体験的・実践的な授業実践を積み重ねながら、「技術・家庭科」こそ生徒の未来にわたって生きて働く力・知恵を培っている教科であると訴え続け、この広い北海道で教科研究の仲間づくりに奔走してくださった賜です。

 さて、本年度から平成24年度に全面実施となる新学習指導要領の移行期間に入り、本教科は、全部又は一部について新学習指導要領によることができるとされています。今回の改定で本教科の内容は、技術分野では、材料と加工、エネルギーの変換、生物育成、情報活用等の観点から内容を整理して、すべての生徒に履修、家庭分野では、家族・家庭と子どもの成長、食生活の自立、衣生活と住生活の自立、家庭生活と消費・環境に関する内容で構成してすべての生徒に履修させることと改善が図られました。

 技術・家庭科の内容や履修形態はこれまでの学習指導要領においても、時代の変化に対応して変遷してきました。職業・家庭科の時代、選択教科として農業・工業・商業・水産・家庭が設置されていた時代、A〜Iの9領域の時代、「情報基礎」と「家庭生活」が加わった11領域の時代、そして2分野の時代、履修方法も男子向・女子向の時代があり、男女の履修の差異が問題となった時代から現在のすべての生徒が履修することが当たり前となるなど、他教科にはみられない改善・変容が時代の状況に呼応して図られてきました。

 このような中、本研究会でもその都度、社会状況の変化を分析し「なぜこのような改善が図られたのか」を考え、未来社会の在り方にも視点をあて、実践的・体験的な学習活動を通して「子どもたちにどんな力をつけるべきなのか」を真剣に論議し、研究し続けてきました。真空管がトランジスタに変わり、集積回路そしてコンピュータ、情報通信ネットワーク、男女共同参画社会、少子高齢化、食育雇用機会均等法、環境・・・と社会状況が激変する度、技術・家庭科の教員には新たな専門性が求められてきましたが、共同研究を積み重ね、一つ一つ乗り越えてきました。他教科では類をみない取組も多かったはずです。私たちは、まずこのことに「自信と誇り」をもちたいものです。

 しかし、本道の現実に目を向けますと、【道内公立中学校における免許教科外教科担任許可件数(19年5月現在)1,695件、内訳技術469件、家庭427件」平成19年12月12日発刊の道通(北海道通信)】の記事にもあるように、免許外が、技術・家庭科合計896件と過半数を超え突出していました。免許外で本教科を担任していただいている多くの先生方には、複雑な指導内容に対応するための題材研究等に「専門外ならではご苦労が多々あったのでは」と頭が下がる思いです。しかしながら、未来を担う子ども達にとっては、担当免許を保有し専門的な指導力を有する教員の指導を受けることがより望ましいことは言うまでもありません。全道研究大会も地域によっては、少数の有免許教員+免外の担当教員で運営しなければならない現状があります。さらに有免許教員も年々若手が減少しているのです。新指導要領が告示されても、教員定数が一向に改善されない中での学校運営を考えると、技術・家庭科教員が減員対象とせざるを得ないことは理解できますが、自分が担当してきた技術・家庭科はこの先存続していくのだろうか?、将来北海道の技術・家庭教員は拠点校配置方式で配置するのでは?不要教科との風評が世の中に流れるのでは?と不安感を抱かざるを得ません。

 しかしながら、今ここで「遠吠え」のような愚痴を言っていてもどうにもなりません。私たちがすべきことは、しっかりとした「技術・家庭科教育」を「自信と誇り」をもって実践し、未来を担う子ども達にこの教科の「存在価値」を認めさせることだと思います。

 今教えている子ども達が大人となって、社会・地域・家庭での生活を営む中で、さらには新たな日本、世界を動かす立場となって価値判断・行動選択するその時、「本教科で学んだ力」の必要性を実感する機会が多ければ、時の社会の声の支えにより本教科が存続の危機を迎えることはないと信じます。

 「人を育てる技術・家庭科」です。北海道技術・家庭科教育研究会は、北海道の技術・家庭科担当者が「自信と誇り」もって情熱的に教育実践していくための研究会であることをしっかりと認識し、全道の仲間の結束力を信じ、あいさつといたします。

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